昭和人の恋ものがたり

団塊世代の、じじいの妄想話です。

ポエム ~おまけ編~ (そして湖に)

湖にひとり立つ若人の姿。(湖=うみ)
物悲しく、淋しく……
夕陽に映える湖水の水面。(水面=おもて)
泣きゆく雁の姿を映す。
はるかな沖に浮かぶ
ただひとりの面影。
偲びては泣き
泣いては偲ぶ。

湖畔の小屋で逢ひし日より
胸の痛みは始まりき。
君、
りんどうの花よりも美しき。
すずらんの花より愛らしき。
幾たび言ひかけしか。
岩に戯れしあの朝、(朝=あした)
小舟に乗りし夕暮れ。

思えば懐かしき夢なりき。
過ぎ去りし、
甘きそして苦き、青春の日々。
星の出ぬ夜の最後の
甘き二人の口づけは
まことのことなりしか。
ふたり手をとりて、砂地を走り
涙をこぼしつ、また走る。

許されぬこの世でのふたりの愛。
あヽ、悲しきかな。
あヽ、恨むべきかな。
而して、青春の日々、また甘し。(而して=しこうして)
そして、切なし。
そしていま、
湖に立ちし若人の目に
浮かぶは、美しきひとりの少女。

海の果てへと帰依し朝。
“あなたが好きなの……”
ふみのひと言も
涙の痕で、読み取れず。(痕=きず)
若人の胸を痛めしぞ。
湖にひとり立つ若人の姿。
物悲しく、淋しく……
たをぞ、さがす。(た=だれ)


夕陽に映える湖水の水面。
泣きゆく雁の姿を映す。
そして湖に
夕陽が沈みゆく。

 

=背景と解説=

ある女性(いや、女子か?)を思い浮かべての、格好つけの作品です。
交際中では正直のところ、多数のなかのひとりでした。
いや二股をかけていたわけではなく、ですよ。
ことば汚くいえば、とっかえひっかえ状態でしたからねえ。
ほんとひどいもんです、ドン・ファン気取りで。
ドン・ファン=猟色家・女たらしの代名詞(Wikipedia
             =好色漢・女たらし・プレイボーイ(Weblio
で今さらになって、彼女があたまに住み着いて、です。
先日にお話ししましたね? [続・佳き女よ]で。
ハハハ……です。

 

*突然ですが、今回で終了します。

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[ヒトリゴト]今晩のおかず 

今晩のおかず、美味しかったです。
昨夜、いつものように二食分作りました。
面倒なので、二日分を作っています。

息子の大好物、中華の青椒肉絲です。
ピーマンを入れるだけの、あれ、あれですよ。
ま、postman の場合は、野菜を摂るために他のものもたっぷり入れます。
もやしとキャベツを入れました。

あと、味噌汁もです。
大根にじゃが芋、キャベツにもやし、豆腐を入れることもあるんです。
我ながら、料理うまいじゃないかと、思っちゃいます。

明日の晩ごはんは、外食しようかと思います。
「連日の残業、ごくろうさん。」
と、自分へのご褒美です。

味噌カツ丼、美味しいんです。
お肉が柔らかくて、味噌ダレがしっかりとしみ込んでて、すっごく美味しいんです。
よだれが出そうです。

さあ、明日一日頑張ろう。
楽しい、金曜の夜。
一週間の内、一番好きな日です。
夜更かしが、たっぷりとできる日です。

(2008年12月11日)

 

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奇天烈 ~蒼い殺意~ 蒼い殺意(六)

彼の観念の世界をほろぼした己にはげしい自己嫌悪を感じ、罪悪感にさいまれた。
女学生の肌のぬくもりが、彼のからだに強くのこる。
しかしそれを意識するたびに、彼のいらだちは増した。 

「偽善者だ! ピエロだ!」 
彼は、彼自身に、はじめて『蒼い殺意』を持った。 (了)  

   

━━ ・━━
=余談= 

当時交際あっていた女の子に、この原稿を読まれてしまいました。 
“バチン!” 
平手一発、なら良かったんですが、涙を浮かべて部屋から飛び出していきました。 

無理もないです、それまで手ひとつ握ってなかったんですから。 
初めてアパートに、呼んだ日でした。 

 

気付かれましたでしょうか、彼の言葉を。

「狂人というのなら、狂人でいい」

この作品をきっかけに、
以前掲載しました
「狂ぃ人の世界」を思い付いたんです。

そのままでは芸がないと思い、
神と悪魔の前段を、付け足しました。
第二幕、第三幕、とあるのですが
まだ整理がついていません。

 

できるだけ早く、とは思っているんですが
中々に。

 

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[淫(あふれる想い)] 舟のない港 (七十四)男は、ベッドの端にすわる娘に

 男は、ベッドの端にすわる娘ににじり寄った。
娘のからだが強ばっていくのを、男は見てとった。
躊躇する気持ちがわきはしたが、もう男の欲情は歩みをとめることを許さなかった。
娘はかたく目をとじて、顔を両手でおさえている。

「いいんだね?」。娘に声をかけると、娘はかすれた声で「うん」と、うなずいた。
(やっぱり、イヤ!)という言葉がかえっても、男にはもうブレーキをかけることはできない。
ルシファーとサタンが、男のこころ内でギリギリの闘いをしている。
結局のとこ、かろうじてルシファーが打ち勝った。
ミドリが、男をして男たらしめた。
〝そんなあなただったの?〟

 肩に両手を置くと娘の身体はピクリと動き、さらに強ばった。
そっと娘の両手を外した。
すこしの抵抗はあったが、けばけばしい化粧の顔が現れた。
その化粧の下には、まだあどけなさの残る少女の素顔があるのだろう。

ユキオという若者とのことは事実であろうし、そしてそのおりの事も、男には嘘だとは思えない。
けばけばしい化粧をすることにより、若者にバージンを与えようと、己の気持ちを奮い立たせたのだろう。

 男は娘のあごに手をかけて、すこし上向きにさせた。
娘の唇はかたく閉ざされている。
そっと男の唇をあてた。ふるえ気味に娘の唇がすこし開いた。
軽く舌先をその上唇にあてると、そのままはなれた。

「シャワーを浴びるかい?」と、声をかけた。
 問いかけるというよりは、なかば命令だった。
娘は、男のことばに素直に応じた。
これから起きることの現実味がすこしずつ、娘に感じられるようになってきた。

 華奢な体つきだった。と言うよりは、痩せすぎに思える。
そういえば、イギリスのツゥィギーなる女性モデルが来日してから、ダイエットに走る女性が多くなったような気がする。
男は、どちらかといえばふっくらとした女性が好みだった。
過去に付き合った女性たちは皆ふっくらとしている、ミドリをのぞいては。

 すこしの間、ベッドの上に横たわらせたまま娘の裸身をながめていた。
娘は、また両手で顔をかくしている。
ときおり、男の視線が気になるのか指の間から薄目をのぞかせてうかがっている。
「どうしたの、無口になったね?」

 男はわざと尋ねた。
娘の心理状態がわからぬ男ではない。
娘はなにも答えず、あいかわらず両手で顔をおおっている。
男は、まるで玩具で遊ぶ子どものようなこころ持ちだった。

 

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[ライフ!]金魚の恋(二十一)文通なんてのは、手紙だけにしなくちゃ

見た目はきれいな……金魚、の恋。

~~~~~~~~~~~~~~~
「文通なんてのは、手紙だけにしなくちゃ」
 ラジオから流れてきたことば。つづけて、
「現実じゃないんだ。手紙のなかで築いた信頼関係は、現実社会では築けないものですよ」と。
 夏目漱石著「行人」に、こんな一節がある。
たしか、妻の浮気を疑った男の話だったと思う。
漱石らしい、弟の二郎が浮気相手だと疑ったのじゃなかったか? らしいと言っていいのだろうか。
漱石には人間の業を見せつける作品が多い。
だからそう思えたのだけれど。

 ~~~~~~~~
あゝ己は何うしても信じられない。
何うしても信じられない。
たヾ、考へて、考へて、考へて、考へる丈だ。
二郎、何うか己を信じられる様にして呉れ。
 ~~~~~~~~ 

 そして、kako。
 文通をはじめて、数年経った。
「『正しい原因に生きること それのみが浄い』。
十九歳の誕生日、先輩からおくられたことばに感情的になって、ついこの大好きなことばを忘れそうになるわたしです。
正しい原因に生きる……」
 手紙のなかにいれた、詩。
 ~~~~~~~~
独立したわたしの部屋には、CDコンポがあります。
ベッドがあります。
冷蔵庫も、洗濯機も、あります。
大変、嬉しいです。
その上に、エアコンさえも取り付けてあるのです。
わたしは倖せ、なのでしょう……でもわたしは、寒いのです。
すべてが整いすぎていて。
それが為にわたしは、人とのコミュニケーションを失くしているのです。
すべてが、わたしの部屋で完結するのです。
わたしは、いつも寒い思いをしています。
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[愛の横顔]アイ・アム・アイアンマン(四十三)

 そして、今日。
「異変を感じたら、必ず来てください。状態が改善されても、自己判断はだめですよ」
 退院時に、医師から告げられた言葉が頭の中で反芻している。
病院の入り口で、一瞬身構えた。
総合受付というカウンターの中に、女性二人が座っている。
その二人が、わたしを注視している。
ライフルのスコープで捉えている。
カウンターの下に隠された指先が、照準の目盛りをこまかく合わせているように感じられた。

「予約していないんです。今朝、突然に目まいに襲われて。体調不良で来たのですが……」
 恐る恐る身障者手帳を差し出した。満面に笑みを称えた女性が、手を奥に向けながら応じてくれた。
「あちらの外来受付と言う所に、申し出てください。大丈夫ですよ、すぐに処置してくれますからね」
 言われた場所で再度告げると「二階に診察受付機がありますから、そこに診察券を入れてください。
後は待合の椅子に座って待っててください、
声が掛けられますから。循環器科は分かりますね?」と、今度は事務的に指示をされた。
大勢の患者が居るのだ、止むを得ないかと己に言い聞かせた。
 中央にあるエスカレーターを使って二階に上がって循環器科に進んだ。
壁際に設置してある受付機に診察券を差し込み、出てきたA4の紙を、受付に提出した。
空白の多い書式で、B5でも十分に対応できそうだ。

 

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長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空:第三部~

「タケシ、タケシ」
 遠くに聞こえていた声が、次第に武士の耳にはっきり届いてきた。
「ほら、お水よ。冷たいお水よ」
 武士の口に冷たい水が注ぎこまれた。柔らかく暖かい、ふわりとしたものが口に触れられる。そして、喉に冷たい水とともに熱い息吹が注ぎ込まれた。

「大丈夫?」
 薄い雲のかかったようなぼんやりとした頭に、見覚えのある顔がはっきりとしてきた。
「あっ! ユミさん」
「目がさめた? 大丈夫? 頭は痛くない?」
 優しい響きの声だった。なぜか涙を誘う、声だった。
「どうしたの? 泣いてるの? そう、忘れられないのね。いいのよ、いいのよ」
 ユミは武士の髪を慈しみながら、何度も「いいのよ」と、囁いた。

「ぼく、ぼく、」
 ユミの胸の中で、武士は涙声で何度も呟いた。
呟きながら、重く澱んだおりのようなものが流れ去っていくように感じた。
「つらいわね、つらいわね。いいのよ、たくさん泣きなさい、ね」
「はい、はい。辛いんです。情けないですけど、痛いんです」
「そうよ、そうなの。そうやって、みんな大人になっていくのよ」

”ああ、大人になったんだ……”
 荒い息遣いの中で、心地よい疲労感に襲われていた。じっとりとした汗も心地よい。
「どう? 初めてなんでしょ、タケシは」
 ユミの上ずった声が、武士を包み込んだ。至福の時だった。
ユミの体が武士から離れると、心地よい風が吹き抜けるように感じた。
「すみません。ぼく、何がなんだかわからなくなって。すみません…」
 我に返って、思わずそんな言葉を発していた。

 

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