昭和人の恋ものがたり

団塊世代の、じじいの妄想話です。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) なぜ私を騙した!

大きくため息をついた浅田は、ティーカップを手にして窓辺に向かった。 「彼女には…。 今の君と同じ立場に立たされたのですよ、わたしも。 そう、二歳の女の子が居たのです。 信じられますか? 敬虔なクリスチャンで、未婚の女性で、理知的な女性に、です。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 人畜無害と思われてるんでしょう

「しかし先生。女子学生の間では、大人気ですよ。エコヒイキがない、とも言われてます。」 吉田は話題をすり替えた。確かに、浅田のホモ説は知っている。 しかしその真偽については、知りたくなかった。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 先生は独身主義者なんですか?

「はあ、そうですね。言われてみれば、肩肘を張ってたような気がします。 形にこだわりすぎたような気がします自分に対する叱咤激励、というか…」 浅田が、吉田の言葉を引き取った。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) まあ、聞いてくれよ

「まあ、聞いてくれよ」 と、昨日のことを話し出した。 「酔っ払いはねえ、基本的に自己中心なんです。 ほろ酔い、泥酔、そして乱酔。生酔い、大酔、酩酊なんてのもあるね。 その度合いが深まるにつれ、自己中心もまた度合いが深まっていく。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 青春恋愛か、なるほどね

喉にひりつきを覚えた彼は、 「悪かった。どうだい、ビールでも飲むかい?」 と、冷蔵庫を開けた。 「そうだった、ウィスキーを買ってきてたんだ」 吉田の差し出したウィスキーに、彼は少したじろいだ。 耀子のマンションで初飲みしたその翌日、二日酔いに悩…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 子供が好きなんだね

「吉田君って、子供が好きなんだね」 「いや、俺も初めて知ったよ」 「で、どうしたの?」 「うん、ま3 な。彼女、本名は妙子って言うんだが、霧子じゃなくて良かったよ。 それはどうでも良いんだが…妙子ん家に泊まった」

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) どうして、そんなことに‥

「笑えるはずがないじゃないか。君がそんなに悩んでるのに、笑うことなんてできないよ。でもどうして、そんなことに‥」 「そうなんだ、そうなんだよ。どうして俺が、この俺さまが。女は、美人じゃない! 断言できる。

久しぶりの、おばさん節を。

久しぶりの、おばさん節を。 「父という漢字はねえ」 と、もったいぶった語り口で、始まりました。 「こう、書くだろ?」 父

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 突然ノックの音が

「コン、コン、コン」 ベッドに寝転んでいた彼の耳に、突然ノックの音が入り込んできた。 “えっ?! 誰だ? まさか、貴子さん、なんてことはないよな”

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) = ゆめ・うつつ =

“それにしても、最近はどうなってるんだ。のぶこさんや耀子さんには、からかわれるし。貴子さんとは、相変わらずだし” ベッドに潜り込んでからの彼は、ただただ悶々としていた。 “何をしたって言うんだ、まったく。それとも、もっと強引に行かなくちゃいけな…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 今夜、井上のお供をする

彼の気持ちの中には、井上に対する申し訳なさが渦巻いていた。 収入のこともありはしたが、本音を言えば貴子のことだったのだ。 毎日顔を合わせるのが、辛くなってきていた。 どこかしらぎこちなさが漂い始めている二人だった。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九)  デパートでのアルバイトを辞めて

近年にない猛暑に悩まされ続けた夏も終わり、デパートでのアルバイトを辞めてからほぼ一ヶ月が経った。すぐに見つかるだろうと思っていた家庭起教師のバイトも、条件が合わずに決まらずにいた。 “デパートのバイトを辞めたのは早計だったか…” 半ば後悔の気持…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 『ランバダ』だよ。

「今、起きます。起きますから、待っててください」 一時の酩酊状態からは抜け出したものの、体に力が入らない彼だった。 「情けないぞお! 妙齢の女二人が居るというのに」 耀子のそんな声に、のぶこが呼応した。 「そうだ、そうだあ! 男なら、襲ってみな…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) ダンスの練習だあ!

「おいっ、こらっ! ミタぁ、起きろ! 練習だぞ、ダンスの練習だあ!」 耀子が突然に、酔いつぶれてテーブルにうつ伏していた彼の、頬を抓ったり耳たぶに噛みついたりした。 「はいっ、わかりました」 応えはするものの、彼の体はピクリともしなかった。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 人参よりキュウリがいいです

「すみません。ぼくは、人参よりキュウリがいいです」 「バカねえ、人参じゃなきゃダメなの」 「好きじゃないんですよ、人参は。どうしても、ダメですかあ?」 「もう、この子ったら。とぼけてるの? それともホントに分かんないの? のぶこ、何か言ってやん…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) ねえ、飲もうかあ

「ねえ、飲もうかあ」 突然、耀子が立ち上がった。のぶこは、待ってましたとばかりに 「そのつもりで来たのよ、ホントは。ミタ君、いいでしょ?」と、またしても彼に抱きついてきた。アルコールが入っているのか、ほんのり桜色の顔色であることに、彼は気が…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) ミタくうん、浮気しちゃおうかあ

「そう、そんなものかなあ。男性ってさ、ある時期を過ぎると急に威張り出すのよねえ。 のぶこの彼も、そのタイプかあ。 でも、のぶこも不思議。何もバツイチの男性を、好きにならなくても良いでしょうに。 ここに素敵な男性が居るじゃない、ねえ、ミタちゃん…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) のぶこに話しかけた

「ところでさ、のぶこ。さっきの話だけど、どうするの? わたしは実家に戻るんだけど、就職するんでしょ?」 手作りらしき少しいびつな形のクッキーを乗せた皿を中央に置くと、。 のぶこはクッキーをほおばりながら、 「そうなのよねえ、来年も厳しいからさ…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 女子大生というよりは若奥様然としていた

“別人かもしれない” そう思いつつ、所狭しと置いてある観葉植物を避けるようにして、花模様の入ったガラス戸を開けた。 「おじゃまします」 軽く一礼をした彼を迎えたのは、紛れもないのぶこだった。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) お帰りなさあい! お邪魔してるわよ

彼に、嫌も応もなかった。 やっと様になってきたところであり、面白さがわかりかけてきたところだ。 「良いですけど。何処で、ですか?」 「場所の心配はないの。私のマンション、フローリングなのよ。時々、サークル仲間と練習してるの。じゃ、善は急げね」

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 夕暮れが迫っていた

彼の視線に気付いた耀子は、 「こらこら、どこを見てるの! 彼女とうまくいっていないの?」 と、妖艶な雰囲気を漂わせながらたしなめた。 貴子や真理子とは違った、大人の女性だった。 ユミの醸し出す色気とは又違ったもので、彼の胸の高鳴りは激しくなった…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 大きな変化を遂げ始めた

彼の視線に気付いた耀子は、 「こらこら、どこを見てるの! 彼女とうまくいっていないの?」 と、妖艶な雰囲気を漂わせながらたしなめた。 貴子や真理子とは違った、大人の女性だった。 ユミの醸し出す色気とは又違ったもので、彼の胸の高鳴りは激しくなった…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 私の後ろに来て

そんな彼の言葉に耀子は、 「じゃあねえ、私の後ろに来て。男役のステップを踏むから、同じようにステップしてみて」 と、彼を手招きした。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 相変わらず足を踏み続けた。

久しぶりの部室には、十人程度が集まっていた。 キョロキョロと見回す彼に、「お久しぶりい!」と、皆が声を掛けてきた。 どうやら男は、彼だけのようだった。 彼の目が、のぶこを捉えた時にリーダーである耀子の声が響いた。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 右往左往

ダンスのレッスンが始まると、右往左往する彼だった。 入れ替わり立ち替わりに、女性達の相手を努めさせられた。 男性が少ないという事情とともに、物珍しさも合わさった。 「スロー、クィッククィック」 という掛け声と共に、彼は言われるがままにステップ…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 第一印象

振り向いた瞬間に、彼は体に電気が走ったような感覚に囚われた。 “何て素敵な女性だろう” それが、のぶこに対する第一印象だった。 *出雲大社参詣記を、[toshichanの旅日記]にアップしました。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 是非にも紹介してくれよ

「えっ? 本当かい。それは有り難い話だなあ。 今のバイトより、ずっと良いじゃないか。是非にも紹介してくれよ」 彼は、目を輝かせながら答えた。 願ってもない好条件であり、夕食付きというのが何よりも有り難い。 自炊のつもりであったが、結局のところ定…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 大盛りのカレーライス

ガヤガヤという喧噪の中で、彼は一人窓際の席を陣取った。 テーブルの上には、大盛りのカレーライスが置いてある。 310円の代物である。 いつもならば、母親の言いつけ通りに生野菜を添えるのだが、最近は金欠の為に一品だけにしていた。 茂作のこともあ…

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (七) 嗚咽が部屋に響いた

その鋭い語気に、彼は一瞬たじろいだ。貴子はすぐさま起きあがると、ブラウスの乱れを整えながら 「ごめんなさい、やっぱりだめだわ。ホントに、ごめんなさい」と、涙声になった。 「いや、いいんだ。いいんだ」彼はベッドの上に大の字に寝そべりながら、不…

賀っ正!

あなたに 合掌 この世のすべてに 合掌 あなたに ありがとう この世のすべに ありがとう 朝 目覚めて、びっくりです。 雪があちらこちらに残っています。