昭和人の恋ものがたり

団塊世代の、じじいの妄想話です。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ごめんね…… (十四)

小屋の裏手に、煌々と電燈が灯り、プンプンと酒の匂いがする別の小屋があった。 十畳いやもう少し広いだろうか、板塀の小屋だった。 小さな窓から中を覗き込むと、七、八人が車座になっている。 そして並々と注がれたコップ酒を、次々に空にしていた。

ごめんね…… (十三)

「そうなの? そうなんだ。 うまく逃げられると良いね。 じゃ僕らの役目は終わったんだ。 帰ろうか、家に。 誰かに見つかると、おおごとになっちゃうからさ」

ごめんね…… (十二)

月明かりだけが頼りだった。けれどもその月にしても、時折雲間に隠れてしまう。ややもすればくじけそうになる、心の移ろいそのものの月だった。 ござの隙間から中を覗いてみるが、真っ暗で何も見えない。

ごめんね…… (十一)

計画自体は、大雑把な計画だった。小屋から連れ出すことだけで、その後どこでどうするということまでは考え付かないものだった。 ともあれその夜、友人宅に泊まるからと自宅に連絡を入れた。そして午前一時の柱時計の報を聞くと、眠い目をこすりながら行動に…