2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「帝王切開って。あの、お腹を切るってやつですか?」 「あぁ。母体が危ないと判断したら切りますから、ご了解くださいだとさ。書類に署名もさせられた」 「そうですか、それはそれは。ちと、大事にされすぎましたね。仇になったってわけですか」 「うん、考…
「社長、社長! どこです?」 息せき切って、五平が入ってきた。 「おう、ここだ。大きな声を出すなよ、病院だぞ。それに夜間だ、響くんだよ」 「いやいや、すみません。で、どうなんです? まだ、のようですね。 お産というのは、分かりませんからな」 「あ…
“金で買えるものは買えばいい。金で買えなければ、汗で買えばいい。 それでも買えないものは…買えないものは奪えばいいってか? 価値の分かる者が持ってこそ、光り輝くものだ” と武蔵は考える。
「いや、そうじゃない。ま、金が嫌いな人間は居ないってことさ。 お前さんだって、金は好きだろうが。金はな、貯めこんじゃ駄目だ。 キチンと遣うべき時に遣ってやらなきゃ」
「武士? 良い名前ね。どう? あなたみたいな美男子で生まれてくるかしら?」 「あぁ、大丈夫だ。小夜子と俺の子だ。美男子に決まってるさ」
「小夜子ー、帰ったぞお! 今夜はな、お寿司を買ってきた。 あわびの良いものが入ったらしくてな、電話をくれたんだよ。 何でも、目に良いらしいじゃないか。
意味不明の言葉が洩れ聞こえるが、日本語なのかも分からない。 しかしだからこそ、小夜子には霊験新たかなものに思えた。 そしてその効果は、小夜子のお腹に如実に現れた。 さすっている産婆の手が、次第々々に暖かさが増してきた。 そしてその暖かさが小夜…
大声で叫び続けている小夜子を、産婆は呆れ顔で見るだけだった。 心配顔の千勢に対して 「いいから、このままにしておきなさい。まだまだよ、これからなんだから」 と手で制した。
卵など、武蔵の世話をするまで千勢が食したことのないものだった。 珍しげに見る千勢に「こうやってな、白いご飯の上にぶっかけてな、こうやってかき混ぜて食べるんだ。千勢も食べてみろ」と武蔵に勧められて、初めて食した。
「千勢、千勢。産婆さん、呼んでくれた? 病院に行った方がいいかしら。 ねえ、武蔵は? 武蔵はまだ帰らないの? えっ! まだ四時だから会社に居る? あたしがこんなに苦しんでいるのに、会社で何してるのよ! 仕事? そんなのもの! 仕事とあたしと、どっち…
妊娠前の面長だった顔が、今ではまん丸になっている。 せり出したお腹を支えるための足も、相当に膨らんだように見える。 鏡台の前に立ってみて、初めて己の醜悪な姿に気付いた。
しばらく途絶えていた、「蜂の巣報告」です。 ほぼ一ヶ月ぶりですね、前回が6月21日でしたから。 ではでは、7月14日の可愛い(かな?)寝顔というか寝姿というか。 きちんと行儀良く並んでいていました。
「あらあら、鼻息の荒いこと。でも教えるのは、商売のことだけにしてよ。浮気の仕方なんて、金輪際教えないでよね! とすると、女の子がいいわね。そうよ、新しい女よ。女性経営者なんて、ちょっとしたものよね」
少しずつせり出すお腹をさすりながら、いら立つ気持ちが湧いてくるのを抑えることができない。 痩せ型だった小夜子が、みるみる太目の妊婦特有の体型に変わっていく。 「いいか、小夜子。退屈だろうけれども、家で大人しくしていてくれ。 大事な大事な跡取り…
千勢の悲痛な声が飛ぶと同時に 「社長は大丈夫です。飲みすぎられただけですから」 と、竹田が声をかぶせた。
背広を脱がせた千勢すら気付かぬ匂いに、小夜子が噛み付いたのだ。 「小夜子、勘弁してくれ。キャバレーに行ったんだ。 香水の匂いも、少しは付くだろうさ。千勢、お前、気になるか?」 「いえ。奥様に言われて、ようやく気付きました」 「ほら見ろ。小夜子…
“ぬいのことを聞かれちゃ叶わんからな。 最近、妙に勘が働くようになってきたし。 何はともあれ、触らぬ神に祟りなし、だ”
いつも「お知らせしまーす」とアナウンスしてくれるのですが まだ慣れていないせいか(三ヶ月ほどでしょうか)声が固いんです。 で、こう呼びかけたんです。 「こんどさあ『ねえ、聞いて』って、言ってくれない」
(三) その夜、武蔵の帰りを待ちわびる小夜子だが、中々武蔵は帰って来ない。 「遅いわねえ、武蔵は。会社はもう出たのよね? 千勢、千勢。武蔵は確かに一時間も前に、会社を出たのよね? 朝、何か言ってた? 寄り道するとか、なんとか」 イライラする気持ちを…
今さらながら、「レミーのおいしいレストラン」を観ました。 面白いですね、涙と笑いがあちこちにあって。 それに、ねずみがねねえ… ちょっと日本人には思いも付かない設定ですよね。
昨日までの小夜子ならば、 「そんなこと、あたしには関係ないわ。」 と、席を立つところだ。 しかし今は、妊婦の話を聞きたくてならない。 些細なことも、一言一句聞き漏らすものかと身構える小夜子だ。
とんだ大馬鹿者です、わたしは。 これで…大切な友人を、失うのでしょうか… すまん、ごめん、…言葉もありません。
翌日、早速大学病院へと向かった小夜子。大勢の妊婦でごった返す待合室で、その自信に満ち溢れた顔付きに圧倒された。ここでは御手洗小夜子という名前は、まるで通用しない。ただの小娘でしかない。
“怒りを持って接すれば相手も怒り、怨みを抱いて接すれば相手も恨む。 慈愛の心で接すれば相手も心を開き、尊敬の念を持てば相手も応えてくれる”
「今回は残念だったけど、またということもある。 それに私生児で産まれた子供の行く末は、酷い言い方だけどひどいもんだよ。 案外、これで良かったのかもしれないよ。 今度は、きちんとしたお相手の子供を、ね。 お父さんになってくれるお人を、お選びね。 …
突然に下腹部に激しい痛みが走り、生暖かいものが内股に流れた。 慌てて産婆を呼んだが、その出血を見た途端に暗い顔を見せた。 そしてすぐに、産院に行くと言う。
流産の危機は、幾度となく訪れた。しかしその都度、赤子は生き抜いてきた。 梅子が気遣ったのではない。いやむしろ“流産、やむなし!”と考えた節がある。 赤子の生命力の強さには、医者も舌を巻くばかりだった。
医者はそう言う。しかし梅子の耳に届く赤子の声は違う。 “このままお母さんに知られることなく、静かに逝くつもりだよ。心配しないでいいよ。ぼくが産まれたら、お母さん困るものね。お父さんだって、歓迎しないだろうし。
もう皆さん、知ってますよね。 こんなのって、初めてじゃないですか? 実はね、わたし、応募してみようかな…と考えたりしてるわけです。 それで、初恋の女性から連絡が来たりして…くうぅぅ! 「PR by conecc」
ちょっと生意気なのですが、北朝鮮のことを考えてみました。 外交・国際問題については、まったくの素人のわたしです。 学者さんやら評論家さん、それに政治家の皆さんの話を聞いて、 「へー」「なるほど」「そうなんだ」「でもなあ」と、 相づちを打ったり…