昭和人の恋ものがたり

団塊世代の、じじいの妄想話です。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ ラスト

じっと聞き入っていた孝男が 「父さん。なにか欲しいものはあるかい。食べたいものを言ってよ、用意するから」 と、声をかけた。

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (三十一)

「じいちゃん、じいちゃん」 ほのかが飛び込んだ。枕元には道子とそして次男が座っていた。 「おじいちゃん。ほのかが来たよ」 次男が声をかけると、閉じられていた目がうっすらと開いた。穏やかな表情だった。

関西旅行 二日目(pm 2:00~)

あ~あ、結局は予定時間になっちゃった。 折角、博物館やら美術館巡りを止めて、早めての京都入りを考えたのに。 気を取り直して、再スタート!

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (三十)

その夜久方ぶりに自宅に戻ったほのかを待っていたのは、腫れ物にでも触るが如きの孝男だった。 「お母さんは?」 「母さんは、じいちゃんのところだ。遅くならないうちに帰ってくるさ。 それよりどうだ、お父さんの銀行に入らないか。テラーの一人が産休で席…

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (二十九)

「にあんちゃん、お帰りかい。ほのかちゃん、にあんちゃんと一緒でいいねえ」 「にあんちゃん、明日にはお願いだよ」 「わかってるって。ばあちゃん、少ししつこいぞ」

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (二十八)

「贖罪の気持ちがあるのじゃない。キチンと見送れなかったことが、おばあさんに申し訳ないという思いが、心の中に残っているんじゃないの。だから、どんなことにも“逃げちゃだめ!”と思っているでしょ。入居者さまからの要望には、すべて応えなくちゃという…

にあんちゃん ~大晦日のことだ~(二十七)

主任介護士がため息を吐きながらも、しかし目は笑っていた。 「にあんちゃんにも困ったものね。でも良い子なのよねえ」 「すみません。にあんちゃん、なにかミスをしましたか。あたしから注意しておきます」

にあんちゃん ~大晦日のことだ~

中庭での日光浴の時間のときだ。 ぽかぽか陽気のもと、十人ほどが集まっていた。 口々に次男をと、職員たちにねだっている。

にあんちゃん ~大晦日のことだ~

大晦日のことだ。 年越し準備で忙しく立ち回る職員の中に、次男の姿があった。 施設に対する強引な孝男の働きかけで、ほのかの復職と共に次男の就職が決まった。

関西旅行 二日目(am 13:00~)

皆さんご存知だと思いますが、保険での処理をするためには警察の事故証明が必要です。 そこで、高速警察隊を待つことに。 この談笑のあとに、とんでもないことが起きるとも知らずに…。

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~ (二十四)

「お上手ですね、坂本さん」 飛びっきりの笑顔でもって褒めた。 「なによ、あんた! 盗み聞きかい。いやらしいわね」

関西旅行 二日目(am 12:00~)

覚えてます? 朝の格言。昨日の失敗からまなんだこと。 「予期せぬ事で、スケジュールがこなせない」

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~ (二十三)

思いもかけぬ言葉に、耳を疑うほのかだった。 「あなたをね、自分の娘さんのように感じたのじゃないかしら。はいはいって、いつも素直なあなたがね、身内だったら…って思ったのよ、きっと。

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~

缶コーヒーで喉を潤しながら、奥村の話が続いた。 「そのことはね、坂本さん自身も覚悟はされていたの。 でもね、面と向かって言われるとね、さすがに腹が立つわよね。 お義理だけでも、『一緒に暮らさないか』って、言って欲しかったのじゃないかしら」 大…

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~(二十一)

ベテラン看護師の奥村が、 「大変だったわね。でも隙を見せたあなたにも、責任の一端はあるのよ。そこのところは、キチッと自分の中で消化しなくちゃね。あの坂本さんって、入所当時はキッチリしたお方だったんだけどね…」

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~ (二十)

施設の事務室でのことだ。 「怖い思いをさせたわね。しばらくお休みしなさい。 特別休暇をあげるから、自宅に戻りなさい。 これからのことも含めて、じっくり考えなさい」 主任介護士に声をかけられるほのかだが、恐怖心が消えぬ今、道子に会いたかった。 道…

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~(十九)

トイレの前に着くと「うんこが出る、出る」と騒ぎ出した。車いすから抱きかかえた途端に、思いも寄らぬ行為に坂本が出てきた。そのままトイレの中に押し込まれてしまった。

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~ (十九)

「鈴木さん。坂本さんを連れてきてくれる。お願いね」 ほのかにとって一番の苦手なのだが、主任の指示では従わざるをえない。 「坂本さん、坂本さん」 声をかけても、坂本は素知らぬ顔をしている。

関西旅行 二日目(am 7:00~)

12月28日、午前7時00分、起床。 気分、すこぶる爽快なり。

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~ (十八)

忘年会の日がやってきた。 年に一度のこの日は、入所者はもちろんのことその家族たちも招待しての、一大イベントになる。十時から始まるために、朝の七時から準備に大忙しだ。

関西旅行 一日目(pm 6:30~)

ホテルリブマックス姫路駅前店 ホテルに着いたのが6時半ごろのこと。 駐車場が離れたところにあるとのことで、指示された道を進むことに。 山陽電車の高架下をくぐり、左へ。 迷ってしまったわたし、ガソリンスタンドに飛び込みましたわ。 同年齢ぐらいのお…

にあんちゃん ~介護施設で働き出した~ (十七)

桜が満開の時期となった。 老人介護施設での介護士として一歩を踏み出したほのかだが、己の甘い考えを打ちのめされる事態に早くも追い込まれてしまった。 ロックのかかったドアの前でじっと佇む老婆を、ほのかが見つけた。 「どうしたの、松木さん」 「よう…

にあんちゃん ~通夜の席でのことだ~ (十六)

その次男にも大きな心残りがあった。己の出生についてシゲ子に問い質せなかったことが、心のど真ん中にでんとあった。激高しやすい次男に対して「定男おじさんに似てるわ」と帰り際にかけられた言葉が、次男の疑念を確証に変えた。

にあんちゃん ~通夜の席でのことだ~ (十五)

「だって…」と嘆くほのかを援護してやれないもどかしさに苛立つ次男だった。 心情的には分かるのだ。 祖母を、これから旅立とうとする祖母を汚らしい物として見てしまったほのかの後悔の念は分かる。 実のところ、次男自身も感じたのだ。 アンモニア臭の混じ…

わーい! 雪だよ

びっくりです。 いつから降り始めたのか、窓がやけに白く感じたので、カーテンを開けてみると。

にあんちゃん ~通夜の席でのことだ~ (十四)

そしてこのことがきっかけとなり、ほのかは老人介護の道へと進むことを決意した。 「なあ、ほのか。大学がいやならそれでもいい。 働きたいのなら、公務員はどうだ。とにかく大手の会社にしなさい。 介護の仕事は重労働だと聞くよ」 猫なで声で説得にかかる…

にあんちゃん ~通夜の席でのことだ~ (十三)

学校の裏手にある土手の草むらに腰を下ろした二人、流星群をここで観ることにした。 「ほのかね、毎日ね、婆ちゃんとお話ししているんだよ。あそこの樹の下でね、少しの時間だけど、婆ちゃんが話しかけてくれるの」 「そうか、ばあちゃんと話をしているのか…

にあんちゃん ~通夜の席でのことだ~ (十二)

「大丈夫か、ほのか」 次男の声に我に返ったほのか、抑えていた感情が爆発した。 大粒の涙とともに 「にあんちゃん、にあんちゃん。ばあちゃんに、ばあちゃんに…」 と、泣き続けた。

「忘れられた巨人」を読み終えて

「ふうぅぅ」 大きな嘆息が出ました。

にあんちゃん ~通夜の席でのことだ~(十一)

先ずは冷やしたスイカが振る舞われ、和気あいあいと始まった。 部屋の電気が消され、ミニプラネタリウムが出現した。 とたんに歓声が起きたが、その中にかすかではあったが呻き声が聞こえた。