2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「母さん、やめてくれ。小夜子奥さまのことは言うなよ。もういい加減に宗教から離れてくれよ。忘れてしまったのかい、ひどい目にあったことを」
「いや、あのね。母さんの言いたいことはね、人間には陰と陽があるんだってことなの。男と女があるようにね。小夜子さまは、典型的な陽ですよ。社長さまはね、豪放に見えても、実は陰なんだよ。
キッと竹田を睨み付ける母親、その意思は固いものだった。 「そりゃね。料理もまあまあだろうし、気性もおとなしそうだ。 でもね、顔に品がない。何かしら、卑しさが感じられるんだよ。
小夜子に笑顔を見せて、そしてじろりと竹田を睨み付ける母親だった。 「でもね、勝利。お前だって、一端(いっぱし)の男だ。 富士商会という立派な会社にお世話になって、お給料だって他所さまには引けはとらないんだ。
「いいのよ、いいのよ。お母さんの仰ることにも一理あるんだから。今までも厭なひとはいたし、これからだってもっと厭な人が現れるでしょうし。お母さんのお小言、肝に銘じておくわ」
(九) 「母さん、分かったから。死んだ父さんに言われたんだよね。 ありがとうって、言われたんだよね。 笑い顔一つ見せなかった父さんが、言ってくれたんだよね。 それが嬉しかったんだよね」 「お母さんの時代はそれで良いわよ。でも、あたしは違うの。 …
3月末発行を目指して、いよいよ始動です。 今号は、わたしが編集長を勤めることになりました。 初めての編集作業です、ドキドキです。 目次は本の顔ですから、気を遣います。
「勝子!あんたも少しは見習いなさい。 ちっとも手伝いしないで。 あたしの料理の味は、本来あんたが受け継がなくちゃ。 分かってるの、ほんとに」
同人の例会と、新年会でした。 護国之寺(ごこくしじ)の客殿にて、精進料理をいただくことになりました。 予定時間よりも早く着いて、境内を回ってきました。 ここには、国宝の「金銅獅子唐草文鉢」(奈良時代)があります。 レプリカが飾られてあるという…
「いいのよ、勝子さん。千勢は、そんなこと気にしないから。 かえって喜ぶわ。美味しいものには目がない娘だから。 作り方を教えてほしいって言い出すわ、きっと。 お母さん、頂いていくわ」
目尻を抑える小夜子に、皆が驚いた。 「そんなこととは知らず、申し訳ありません。 勝子ったら、そんなこと、ひと言も…」
「びっくりさせてしまったわね。 あたしね、母の手料理を食べた記憶がないの。 どころか、お乳すら飲ませてもらえなかったわ。 母の病のせいなの。
(四) 大きく口を開けて小ぶりの里芋を食した途端、大粒の涙をボロボロと流し始めた。 「あれあれ、どうしました? 小夜子さまには辛かったですかね? 砂糖が足りませんでしたかね? お高いものだから、ケチり過ぎましたかね? 申し訳ないことでした」 皿を…
「まあまあ、勝子。その辺にしておきなさい。 勝利も、もう少し考えることね。 考えが足りなかったわね、確かに。 姉さんの言うことの方が、まともだよ。
「そんなもこんなもあるもんですか! 小夜子さんを何だと思ってるのよ、あなた達は。 社長も社長よ。そんなことを言わせるなんて。 あーぁ、幻滅したわ。もっと男らしい方かと思ってたのに」
憤懣やるかたないといった表情の小夜子、我が意を得たりとばかりに竹田の舌鋒が鋭くなる。 「資本主義の何たるかを、まるで理解していない輩の愚痴ですよ。 許せないです、ほんとに。みんな憤慨しています、ほんとに。
わなわなと唇を震わせている勝子を制して、小夜子が竹田を促す。 じっと俯いたままの竹田。 握り締めた拳に、ぽとりぽとりと雫がかかった。
「確かに、ある会社から荷を引き上げました。 それがきっかけで、倒産に至ったこともあります。 でも、それだって、相手を思ってのことなんです。 そのまま放っておいて、取引を絞り込んでいけば良いんです。
「社長は何も言われません。どうご説明したらいいか…。 社員の気持ちなんです。どう言ったら、いいのか。 うん! 旗印なんです。戦国の武将には、旗印がありますですね。 例えば、上杉謙信は『毘』の文字、武田信玄は『風林火山』といった具合の。
言葉とは裏腹に、目を爛々と輝かせる小夜子。どんな仕事に従事するのか、英会話学校での成果をいかんなく発揮できる部署であることは違いないはずだ。通い始めの頃の小夜子と違い、今では堂々と教師とも渡り合っている。もう大丈夫と、胸を膨らませる小夜子…
「そんなことないのよ、小夜子さん。勝利は、ほんとに小夜子さんが好きみたいで。初お目見えの夜なんか、そりゃもう口から泡を飛ばす勢いで、熱弁をふるったんだから。
NHKの、昨夜の7時半に始まった○○を観ました。(タイトル忘れました) 若い人たちとおじさんたちのトークバトルを観ました。 正直なところ無気力人間が多いと思っていましたが、総じてそうでした。
「勝利。あんた、良い社長の下で働いてるわ。 ほんと、羨ましいわ。やっぱりあたしも、富士商会に入りたい。 でも無理ね、こんな体じゃ」と、打ちひしがれてしまった。
職場での、朝の挨拶です。 今年は「今朝は冷えましたねえ」 昨年は「今朝もひえましたねえ」 気付かれました? ひと文字違いですが。 「は」と「も」 今年の岐阜市は、どうやら暖冬模様です。 雪かな? と思っても、殆どが雨でした。 初詣には、去年は雪でし…
「だれ、だれなの? 女性なんでしょ、当然。 ちょっと待って、あたしが当ててみせるから。
「社長は、会社一の働き者ですから。 もう年中無休で、然も一日中仕事のことばかり考えてらして。 お酒を飲まれている時でも、です。 突然に、女給に『壱萬円やろう。その金で何を買う? 貯金はだめだぞ!』って。
「何を言ってるんだよ。姉さんなんかに勤まるはずがないよ。気まぐれで我がままいっぱいの姉さんなんかに、富士商会の仕事ができるわけがない」 口を尖らせて、竹田が反論した。
若いころは、雨が好きでした。 特に、夏の暑い盛りの夕立ちなんぞは、もう飛び上がって狂喜乱舞したものです。 ずぶ濡れになって ♪雨に唄えば♪ を、歌ったものです。
起き上がるやいなや、仕切り始めた勝子。竹田は、黙々と勝子の指示に従っている。 “勝子さんの前では、竹田も形なしね。会社じゃ敬われているのに。ま、竹田の機敏さは、勝子さんのおかげね。でも、覇気が感じられん! って言う武蔵だけど、なるほどよね”
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