昭和人の恋ものがたり

団塊世代の、じじいの妄想話です。

[ライフ!]金魚の恋(六)こんなことも書いていた

 見た目はきれいな……金魚、の恋。
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[ フランス人気質 ]
 フランス人は、というより、フランス国家では、あらゆる所に三人枠があるそうだ。
たとえば公園のベンチ、プラットホームの椅子、そしてエレベーターに。
そこに椅子がいるのかどうかはなはだ疑問だけれども、椅子が三人分だとか。
それにはもちろん、夫婦・恋人そして友人が座るだろうけれども。
しかしもうひとりは誰なのか? これは興味深いことだ。

 なにかの雑誌で読んだ話だが、フランス人は人前では開けっ広げにキスなどをする。
例えば交差点での信号待ちの間に、
例えばカフェで砂糖をコーヒーに入れる時に、
例えば舗道を歩いていて突然に、
例えばショッピングの途中で……etc。
けれども、比較的人通りの少ない暗い場所ーそうあのセーヌ川のほとりなどでは、比較して少ないということだ。
そしてこの二つの相反した事実を考え合わせて、次の結論を出している。
[フランス人気質]と称すべきだ、と。

 人が見ているからの行為だとあった。
抱き合ったり、キスしたりの行為を誰彼構わず見せつけることによって、愛情表現をしているのだと。つまり、自分がいて恋人がいて、そしてもう一人いなければならないのだ。
ふたりが抱き合ってキスをしている時に、それを見て嫉妬する者がいなければならないのだ。
そしてそのとき、ふたりは生きていることを知るらしい。

 つまり、存在価値を見出すのだ。
これはわたしに、少なからず衝撃を与えた。
自分がいて、そして相手がいる。
そこに自分の生きていることを確かめることに対してさえ、反感を持っているというのに。

わたしはもう一度、熟考すべきだと感じた。